ENGINEERING / ELASTIC METHOD

6分力からボルト群荷重・ブラケット梁応力を計算

ブラケットに作用する6分力から、XY平面上の締結位置外力と、一定矩形断面片持ち梁モデルによるブラケット本体の公称応力を別々に計算します。

締結位置外力は入力外力と同じ符号で表示します。ボルトからブラケットに作用する反力は逆符号です。ブラケット本体の梁評価は簡易モデルで、複雑形状の強度や安全性を保証しません。

INPUT

外力と締結位置

ボルト計算 v0.2.0 / 梁MVP v0.1.0

入力するのはブラケットに作用する外力です。出力は入力と同じ符号で表す締結位置への外力分担です。ボルトからブラケットへ作用する反力を自由物体図に描く場合は符号が逆になります。力はN、モーメントはN·mm、座標はmmで入力してください。正のFzは取付面からブラケットを引き離す方向です。

荷重基準点Pの6分力

Fx/Fy/Fzはブラケットに作用する外力です。モーメントは入力した荷重点Pまわりの値です。右手系、右ねじ方向を正とします。

荷重点 P = (xP, yP, zP)

ボルト配置 (x, y)

すべて同じXY平面上 (z=0) に配置します。ボルトは等径・等剛性として扱います。

番号X (mm)Y (mm)操作
Bolt 1
Bolt 2
Bolt 3
Bolt 4
ボルト群の座標軸図取付面はXY平面、X軸とY軸はボルト群重心Cを通り、正のZ軸は画面手前方向です。+X+Y+Z(手前)C1234
取付面はXY平面です。図はボルト群重心Cを原点として表示しています。
ボルト寸法・許容応力

許容応力の根拠と適用性は利用者が確認してください。引張・せん断は別々に比較し、組合せ相互作用の判定は行いません。

BRACKET BODY / BEAM MVP

ブラケット本体・簡易梁評価

締結位置外力のボルト群計算とは独立した公称応力評価です。下の許容応力はボルト側と別入力で、ボルト材と同じ材料とは仮定しません。

モデルと適用範囲

梁軸をZ、断面幅bをX、断面厚さtをYとし、Z=0を固定端、Z=Lを荷重点とする一定矩形断面の片持ち梁モデルです。線形弾性の公称断面応力を4隅で評価します。

荷重点Pは既存の6分力入力と共有します。ブラケット評価ではP=(0, 0, L)を条件とし、入力Mx/My/MzをPまわりのモーメントとして固定端へ一度だけ移送します。ボルト群側では同じPから群重心Cへの荷重移送を別途行います。ブラケット側でボルト群計算済みの移送後モーメントは再使用しません。

対象外: 応力集中、ボルト穴による断面欠損、フィレット、溶接部、局部板曲げ、板の面外変形、局部座屈、横座屈、全体座屈(オイラー座屈)、梁柱の2次効果(P-Δ)、断面塑性、接触、疲労、ねじり応力、FEA、複雑な実形状。たわみも計算しません。本評価はブラケット板の完全な強度評価や実機の安全性を保証しません。

ブラケット断面・材料許容応力

METHODOLOGY

計算方法

  1. ボルト群の幾何学重心Cを求め、入力荷重を M_C = M_P + r_CP × F_P でCへ移送します。
  2. Fx、Fyの直接せん断を等分し、Mzによる偏心せん断を Vx,i = −M_Cz y′i/J、Vy,i = +M_Cz x′i/J で重ねます。
  3. Fzの直接分担は Fz/n です。Mx、Myは荷重勾配 gx、gy [N/mm] を使い、N_signed,i = Fz/n + gx y′i − gy x′i として求めます。
  4. gx = (Sxx Mx + Sxy My)/D、gy = (Sxy Mx + Syy My)/D、D = Sxx Syy − Sxy² です。Sxyを含む連成式で、非対称配置を扱います。
  5. T = max(N_signed, 0) とし、引張応力面積 At = π/4(d − 0.9382p)² と選択したせん断面積 Avから公称外力応力と個別使用率を算出します。
  6. 計算ごとに力とモーメントの6釣合い式を検査し、浮動小数点許容誤差を超えた場合は結果を返しません。

Mx・Myの分配では全位置に同じ軸方向剛性を仮定し、回転角そのものではなく荷重勾配 gx=kz·θx、gy=kz·θy を用います。全位置でkzが等しいため、最終分配式ではkzが消去されます。2×2行列の条件数を使い、一直線または数値的に特異な配置を検出します。

ブラケット本体・簡易梁評価

一定矩形断面の片持ち梁を仮定し、断面幅bはX方向、厚さtはY方向、梁軸はZ方向です。A=bt [mm²]、Ix=bt³/12 [mm⁴]、Iy=tb³/12 [mm⁴]、Zx=bt²/6 [mm³]、Zy=tb²/6 [mm³] とします。

荷重点P=(0,0,L)から固定端中心への移送は r×F に従い、Mx_root=Mx−L·Fy、My_root=My+L·Fx、Mz_root=Mz です。固定端断面4隅のそれぞれで σ=Fz/A+Mx_root·y/Ix−My_root·x/Iy [MPa] を計算し、最大引張側、最大圧縮側、最大絶対応力と支配角を求めます。横せん断は τX=1.5|Fx|/A、τY=1.5|Fy|/A とし、合成を表示する場合は簡易合成せん断指標 √(τX²+τY²) と呼びます。

垂直使用率とせん断使用率はそれぞれの許容応力と個別比較します。許容値の根拠・適用性は利用者が確認してください。両使用率の総合判定、相当応力、たわみは計算しません。Mzによるねじり応力も対象外です。Fz<0では全体座屈(オイラー座屈)と梁柱の2次効果(P-Δ)が未評価である旨を警告します。

ASSUMPTIONS

前提と対象外

取付面をXY平面、ボルト軸をZ方向とし、全締結位置を同一面 z=0 に置きます。ブラケットは剛体、各位置は等しい線形せん断・軸剛性を持つ両側支持とします。締結位置外力は入力外力と同符号で、締結位置がブラケットへ及ぼす反力は逆符号です。

負の N_signed は線形両側支持モデル上の圧縮側反力要求です。接触面の圧縮反力、浮き上がり、中立軸移動を計算しないため、実際のボルト圧縮荷重を表す値ではありません。負値を0へ切り捨てると釣合いを崩すため、そのまま表示します。

公称引張応力 σnominal = T/At は、締結位置外力を全量ボルトが負担すると仮定した値です。プリロードを含む実際の締結状態における応力は示しません。許容応力は利用者入力で、その根拠・適用性を本ツールは保証しません。引張使用率とせん断使用率を個別比較しますが、引張・せん断の組合せ相互作用、総合判定、規格適合性は評価しません。R = √(N_signed²+V²) は荷重ベクトルの大きさで、強度判定には使いません。

対象外: VDI 2230完全解析、プリロード計算、接触・分離解析、摩擦接合、プライイング、疲労、ボルト曲げ、ねじ山強度、母材面圧、端抜け、FEA、溶接群、板の高度解析、材料DB、ボルトDB、PDF正式帳票、ユーザー認証、保存機能。

ブラケット本体の梁評価は一定矩形断面、片持ち梁、線形弾性、公称断面応力に限る簡易モデルです。応力集中、ボルト穴による断面欠損、フィレット、溶接部、局部板曲げ、板の面外変形、局部座屈、横座屈、全体座屈(オイラー座屈)、梁柱の2次効果(P-Δ)、断面塑性、接触、ねじり応力、複雑形状は評価しません。ブラケット板の完全な強度評価を示すものではありません。

FAQ

よくある質問

入力荷重と出力荷重の符号はどう対応しますか?

入力はブラケットに作用する外力で、出力する締結位置外力は入力と同じ符号で表示します。ボルトからブラケットに作用する反力を自由物体図に描く場合は符号が逆です。モーメントは荷重点Pまわりで入力し、重心Cへ移送します。

ボルトが一直線上にある場合も計算できますか?

MxまたはMyがあるとき、ボルト群が一直線または数値的に特異な配置なら計算を停止します。Mzのみのねじりも、ボルト群の広がりが数値的に極小なら計算できません。

負の締結位置外力はどう扱いますか?

負値は線形両側支持モデルにおける圧縮側反力要求として表示し、0へ切り捨てません。接触面の圧縮反力、浮き上がり、中立軸移動は扱いません。実際のボルト引張荷重を確定するには接触・締結体解析が必要です。

許容応力を入力すると何を表示しますか?

引張使用率とせん断使用率をそれぞれ許容値と個別比較します。使用率が1以下なら、その個別比較では許容値以内です。引張・せん断の組合せ相互作用や総合判定は行いません。許容値の根拠と適用性は利用者が確認してください。

ねじ部がせん断面にある場合はどうしますか?

ねじ部などの条件を選び、有効せん断面積を入力してください。平滑軸部用の πd²/4 は自動適用しません。

SOURCES

計算根拠

NASA RP-1228、公開されているボルト群弾性法の解説、ISOメートルねじの幾何式、および一般的な梁の曲げ・横せん断理論を参照しています。出典の適用範囲と、本ツール独自の導出箇所は 計算方針、NASA RP-1228、MIT OpenCourseWareの梁曲げ資料、University of Floridaの材料力学講義資料 を参照してください。